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 100万人の中国語


その82.日本人だからこそなれる、日・英・中の使い手(7)

 数年にわたる異文化理解の研修を通して私が痛切に感じているのは、

 単に中国語が話せないということは、異文化問題ではない

ということです。

 これまで、異文化問題としてしまうと、問題が厖大なものに膨れ上がり、収拾がつかなくなります。
 但し、もし、

 日本人のみが何らかの原因によって中国語が話せるようにならない

というのであれば、話は別です。

或いは、

 日本人は中国語を学びたがらない

というのであれば、多分、異文化が係っていると考えられます。

 では、「最初の問題は何の問題か?」ということになりますが、
それは、

 単なる能力=スキルの問題

に外なりません。100メートルを12秒で走る能力、ざるそばを3分内に2枚食べる能力、国際会計の実務をこなす能力・・・・・・等等と変らない能力の問題なのです。

 そして、多くの日本人が抱いている「中国語は難しい」という感想は、実は、別に中国語に限ったことではなく、新しい「能力=スキル」を習得する際には必ずぶつかる困難に端を発しているに過ぎないのです。

 いかがでしょう?

 それで、今回の中国人管理職の指摘は、一歩踏み込んだものとも言える画期的なものだと思います。いろいろな問題の原因を「異文化」で説明せず、幾つかの問題の所在が、「能力=スキル」にあるということを見抜いているからです。

私は、日中間も、ここ数十年の交流の成果として、いよいよこういう段階に入ったのか、と非常に感慨深くこの管理職達の指摘を受け止めました。

 覚えていらっしゃる方もおられるでしょうが、かつて日米間で構造的協議というのをやった際、日本側が、

 アメリカ人の教育レベルは低い

と指摘し、アメリカ側が、その面の強化を図ると表明したこととまさに重なって来ます。

 今回、中国人達が、言いたかったのは、

 日本人のある方面の能力(中国語)が低すぎる。何とかして下さいよ

ということだったことが分かります。

(続く…) 
 

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