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 100万人の中国語


その81.日本人だからこそなれる、日・英・中の使い手(6)


 中国語の必要性が高まるであろうと書いている側で、当の中国人達より、「当然ですよ!日本人社員にはもっと中国語を勉強してもらわなければ、困りますよ」という苦情を聞く機会がありました。

 2006年10月某日、ある日本のメーカーの会議室で、そのメーカーに勤務する中国人社員28名が参加する社内研修が開かれました。参加者は、中国全土(含む香港)、台湾に亘っています。皆さん、中級管理職で、年齢は28才〜42才の俊英ぞろいです。

 今年で4回目です。毎年開かれています。私が講師を務めます。

 で、何を研修するかですが、私の担当範囲は、「日中異文化理解」です。ややこしいテーマと言えばそう言えなくもないのですが、今、最も必要な、いや、それどころか、“当務之急(当面の急務)”と言っても良い程にホットなテーマです。

 丸一日、1対28で、いろいろな角度からこのテーマについて議論するわけです。

 受講生が話す言語は、次のようになっていました。

中         5
中・英       8
中・英・日     3
中・英・仏     1
中・日      11

ですから、全員の共通語は中国語でした。従って、レジュメはおろか、全ての会話は中国語でやらざるを得ません。面白いことに、今年から、母国語を日本語とする受講生が一人参加していました。この受講生は、中国に留学した日本人A君です。A君は、私にとって援軍でした。2対27の構図になったのですから。

 で、肝心の研修の中身ですが、毎回研修の冒頭に会社の問題点、日本人社員の問題点、中国人社員の問題点を挙げてもらうのですが、今回は前回と幾つか様相が異なった点が見受けられました。その中から、本コラムに関連するところだけを取り出してお話しますと、前回と今回では、次のような変化がありました。


前回まで毎回提起されていたにもかかわらず、今回提起されなかった問題点:
「中国人社員の日本語、日本文化、日本式経営方式に対する理解が
不足している」


今回初めて提起された問題点:
「日本人社員が中国語が出来ないため、会議を中国語で開けない。」
「中国語が出来ない日本人社員がおり、中国人社員に話しかけることも出来ない。」
「日本人社員が何を言いたいのか、理解できない。」
「日本人社員が中国語を勉強しようとしない。」



(続く…) 
 

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