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 100万人の中国語


その62.なぜ、「これなら出来る!・・・」か?(10)  

 「投影された類似性の罠」の続きですが、具体的な中国語の発音で見てみましょう。

 ピンインで「zi」と「zhi」で表される音は、世界中の言語はカタカナで書き表されると考えている人には、恐らく、どちらも、

   「ズ」

に聞こえるでしょう。このような音は、特別な音とはみなされず、かなり当たり前の、発音するのも難しくなく、聞き取ることも難しくない音とみなされるに違いありません。

 まさに、これが、「罠」の「罠」たるゆえんなのです。なぜなら、この二つの音を自分の耳に聞こえたまま発音してみても、相手には、「zi」の音にしか聞こえず、どうやっても、「zhi」の音に結びつかないからです。

 「ズ」がだめなら、「ズィ」「ズー」「ズゥ」とやって、二つの音は違うんだとことさら違いを強調してみたところで、中国人の耳は、それらは、「zi」であって、断じて「zhi」なんかじゃないと、頑として譲らないでしょう。つまり、経済評論家であり知識を生業の糧としている人が、いくら「自分は『知本家 zhi ben jia』」だと主張しても、相手は、「ああ、あんたは、『資本家 zi ben jia』かね」としか理解してくれないことになってしまうのです。

 いや、中には、私の耳には、「zhi」は、「ズ」じゃないよ、「ジ」としか聞こえないよ。
だから、
『資本家 zi ben jia』 は「ズ ベン ジャー」
『知本家 zhi ben jia』 は「ジ ベン ジャー」
としなきゃダメだよという人がいるかも知れません。

 もし、これが、このような形で区別でき、「良いこと言うじゃない!!!」と皆から誉められ、中国人の耳も素直に受け入れてくれれば、誠にありがたいことなのですが、「残念!!!」、そうは問屋が卸さないのです。

 「だって、中国人の耳には、こう聞こえちゃうんですから!!!」

 『基本 家』または『基本 加・・・』または『其 本家』
  または『・・・』

 いずれにせよ、『知本家』には、絶対に聞こえないのです。

 で、本題に戻りますと、この罠に陥らなければ、平均的日本人は、2時間でピンインは読めてしまうものなのです。

 
 
 (続く…) 

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