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 100万人の中国語


その61.なぜ、「これなら出来る!・・・」か?(9)  

 異文化理解という分野の学問が、多民族国家の雄、アメリカで発達しており、様々な新しい学問的発見や新しいものの見方が生まれ、それに応じて、新しい専門用語が生まれています。

 その専門用語の一つに、「投影された類似性」という専門用語があります。一見するとえらく難しい言葉に見えますが、説明されてみると「な〜〜んだ、そんなことか」といった類の言葉です。

 「人は、実際は、他人が自分達とは違うにもかかわらず、そうであると期待してしまう」という意味だそうです。つまり、人は、自分とは異なった文化背景を持つ人々に対して、「同じ人間じゃないか、だからきっと同じような考え方が出来るはずだ」と思い込み勝ちだというのです。

 更に、このような「投影された類似性」が原因で文化摩擦が起きる場合に、「投影された類似性の『罠』にはまった」というそうです。

 一理あると思いませんか?

 中国人と日本人のように、髪の毛の色が同じで、肌の色も近く、手足の長さも左程変らないとなると、体の中身や頭の思考回路も同じだと思いたくなるのは自然でしょう。

 この「投影された類似性」を文化、異文化の一大領域――言葉の面に当てはめてみると、人は、「同じような発声器官、口の構造、歯、舌をもった人間が発する音、即ち言葉は、外国語であっても所詮音という点に関しては、似たり寄ったりだろう」と考えるでしょう。

 ところが、ここに「投影された類似性の罠」が仕掛けられていると思うのです。

 大変回りくどい話になりましたが、本題に戻りますと、中国語を習っている日本人で、中国語の発音は聞き取れているつもりなのに、自分の発音がいっかな中国人に聞き取ってもらえないで困っている人は、かなりの確率で、この「投影された類似性の罠」に陥っていると思われます。

 どういうことかと言いますと、こういうことではないかと思われます。
◇ 先ず、自分は聞き取れていると思ってしまう
◇ 自分の国の言葉にありそうな音で発音してしまう。
◇ 中国人がどうしてもOKしてくれないので、全く自信を喪失してしまう。

 この「罠」から逃れる道は、自分が、その罠にかかってしまっていることを先ず自覚すべきです。その自覚こそが、「罠」から逃れる第一歩です。そして、これが、ゆくゆくは「中国人に聞き取ってもらえる中国語」の発音ができることへとつながる第一歩なのです。
 
 
 (続く…) 

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