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 100万人の中国語


その166.「話す」「聞く」「読む」「書く」(12)

9.「カタカナ」の呪縛
    
  最近、一人の女性を救いました。といっても、「ミナミの帝王」のような闇金から救い出したという訳ではありません。

 芥川龍之介の「クモの糸」にぶら下がる女性を救い出したと言った方が実際に近いでしょう。

 もうあとわずかで目的地に到着できるのに、ちょっとした気の迷いから「ボッチャーン」と血の池へ再び落とされてしまいそうな女性を救ったのです。

 なぜ、女性か? それは、女子学生だったからです。

 せっかく、「田中式ピンイン表記法」を何度も繰り返し読み、慣れてもらっていたはずなのに、あろうことか、ノートに「シャング」などの書き込みを見つけたのです。

 これでは、全てが水の泡です。“xiang”“shang”“shan”が区別できなくなってしまうからです。

 さっそく、「カタカナ」を消すよう命じました。

 もう後数時間我慢して「カタカナ」という媚薬に頼らず、自らが持てる潜在能力を引き出すことが出来れば、「中国語の音」という新たな資産を入手できるのです。

 「カタカナ」で世界中の音を表現できると信じている人が多いのには、驚かされます。日本語の音=「ひらがな」、外国語の音=「カタカナ」という図式が、頭の中にどっかと腰を下ろしているからでしょう。

 日本語の音=「ひらがな、カタカナ」、中国語の音=「ピンイン」という図式は、いつになったら、定着するのでしょうか?

     
(続く)
 
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