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 100万人の中国語


その155.「話す」「聞く」「読む」「書く」(1)
 
1. 「話す」「聞く」「読む」「書く」、どれが大事?

 『外国語を学ぶ上で、「話す」「聞く」「読む」「書く」のどれが大事?』という質問をされたら、皆さんは、どう答えますか?

 私は、迷わず、『「話す」「聞く」が最も大事、「読む」「書く」はその次。』と答えます。

 日本には、昔から、「読み、書き、そろばん」という言葉があります。私は、以前、この言葉の意味を、長いこと誤解していました。私は、この言葉の意味をこう解釈していたのです。

 人が努力して身に付けるべきスキルは、優先順位をつけると、「読む」、「書く」、「そろばん」の順位になる。寺子屋や塾で、この順番、あるいは、この3つを同時に学ぶのは、そのためである、と。

 このような解釈に立つと、「話す」、「聞く」は、二の次で、「読む」、「書く」ほどには重要ではないということになってしまい、引いては、こういう考え方をするから、いつまでたっても、日本人は、外国語の「話す」、「聞く」が出来ないんだと、今考えてみると我田引水もいいところといった結論を下していたのです。
    
  ところが、その後、日本人に中国語を、中国人やベトナム人やタイ人に日本語を教える傍ら、この言葉の意味について考えて行くうちに、正しい解釈は、人が社会で身を立てるためには、「読むことが人並み以上に出来」、「書くことが人並み以上に出来」、「そろばん=数字に強い」ことが求められるが、これらのスキルは、努力してコツコツ勉強して身に付ける以外にないというのが、その本意ではないかということに気が付いたのです。つまり、「話す」、「聞く」が重要ではないなどとは言っていないということに気が付いたのです。「話す」、「聞く」というのは、基本中の基本のスキルであり、誰でも出来て当たり前だとされていることに気が付いたのです。

 外国語の世界にあっても、同じことが言えるでしょう。

  「話す」「聞く」が出来ることは、基本中の基本のスキルであり、誰でも出来て当たり前なのです。だた、母国語の世界と、外国語の世界では、若干事情が異なり、母国語の世界では、「話す」「聞く」は、日常生活で学び、「読む」「書く」は塾なり学校なりで学ぶのに対して、外国語世界では、「話す」「聞く」「読む」「書く」全てを塾なり学校なりで学ぶのです。

 外国語の勉強は、やはり、「話す」「聞く」から始めて、「読む」「書く」へとつなげて行くしかなさそうです。

(続く)


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