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 100万人の中国語


その10.こんなにも違う日本語と中国語(4)

 「中1」の続きです。
  中国語の世界に奥深く入れば入る程、日本語との違いがはっきりして来ます。漢字の世界が こんなにも奥深くかつ広いということを思い知らされます。
  それは、どういう世界かと言えば、こういう世界なのです。

 大
 大大
 大大大
 大大大大
 大大大大大
 ……
 私は、これらを順に「一文字世界」「二文字世界」「三文字世界」「四文字世界」「多文字世界」と名付けております。一見極めて単純明瞭に見えますが、それらの世界に足を踏み入れてみると、入ったきり出て来られないほど多岐亡羊とした小道がまるで人体を隅なくめぐる微小血管の如く張り巡らされているのです。

  仮に現代中国人が使用する漢字の種類を5000としましょう。
  すると、各「世界」における可能性の有る言葉の種類(漢字の組み合わせの数)はこうなりませんか?

 一文字世界・・・5000           
 二文字世界・・・5000x5000
 三文字世界・・・5000x5000x5000
 四文字世界・・・5000x5000x5000x5000
 多文字世界・・・5000x5000x5000x5000x5000x……

  中国語においては、漢字の順序が「いのち」です。
  漢字の順序が変ると意味も違ってしまいます。「二文字世界」では、このようにです。
  
 大人
 人大
 
  四文字熟語や故事成語は、「四文字世界」に属する訳ですが、もっともっと複雑です。なぜなら組み合わせの数が多いからです。例えば、
 大大小小
 大紅大紫
 大錯特錯
 大材小用
 大惑不解
 大名鼎鼎
 大有人在
などは、現在通用している四文字の組み合わせですが、これらがなぜ通用するか、或いはなぜ淘汰されずに残ってきたのかと言えば、意味の上でも「ゴロ」の上でも中国語の中にピッタリとはまったからに違いありません。一方、
 大大中中
 大赤大白
などは使われることがなく、篩に掛けられ篩い落とされた(被篩diao)と考えるべきでしょう。
そういえば、日本ではなぜか「賢妻良母」が篩い落とされ、中国では「良妻賢母」が篩い落とされてしまっています。

  漢字の世界は、漢字のみの世界ゆえにひらがなやカタカナを使用する世界よりも単純な趣を呈しがちですが、実際は複雑怪奇、錯綜無比であるようです。

  ところで、日本の「宇治拾遺物語」にこういう文章が載っているそうです。
  何と読むのでしょうか?どなたか、ご存知ですか?
 
 子子子子子子子子子子子子(十二の「子」)

続く…

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