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その7 李登輝来日ビザを巡って


中国大陸政府は終始「断固反対」の立場を崩さなかった。
病気治療の為の来日はなぜ駄目なのか?
日本政府はとうとう拒否出来なくなり、
条件付きで李登輝来日ビザの発行に踏み切った。
海外の中国人の目にはまたもや
大陸のほうの外交失点に映りかねない出来事であった。

日経新聞(4月21日)の記するところを読むと、

1994年9月
李登輝総統(当時)が広島アジア大会への出席を断念
1997年11月
李総統が母校・京都大学創立百周年式典への出席を断念
2000年10月
李前総統が長野で開いたシンポジウムへの出席を断念

日本政府は一貫して中国大陸政府に協力してきたことが分かる。
今回のビザ発行は人道主義の観点からであった。

私は自信がある訳ではないが大陸政府関係者に提言したい。
台湾問題について今後も日本の協力を得る為にも、
建前上拒否し難い今回の発行に理解を示すと良い。
大局的に見て李登輝の来日を許すことは、
台湾に対する懐柔政策の浸透効果が出ることも考えられる。

李登輝が日本に来たところで大陸に実害が出るわけでもないし、
何か大陸に不利な言動があったらその時点で批判すれば良い。
つまり、世間の理解を得られない場合の最善策は何か、
国際的世論の支持を取り付ける為に何をしなければならないか、
もっと研究する必要があるのではないかと思う。

台湾企業の大陸投資がどんどん進んでいる最中、
台湾の投資家に不必要な刺激を与えることは避けたい。
WTO加盟の為の農業問題、2008年のオリンピック誘致問題、
ブッシュ政権の対中政策を見極める為の偵察機事故問題など、
大陸にとっては他にもっと急ぎたいことは沢山ある。

新中国建国の父毛沢東や外交の達人の周恩来がいたならば、
誰がどこに行こうと、きっともっと大らかに対応したことだろう。

 2001.4 .21 
〔完〕

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