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コラム・中国雑談


その23  中国の株価が上がらない秘密


ほぼ世界中、株価が上昇しているようだ。
対外開放以来20数年間高成長が続いている中国では、
当然株価も「高成長」でないとおかしいと思うが、
事実は正に正反対で、ここ5年間下がり続けていた。

なぜ中国だけ、株価が経済の実態を反映していないのか。
長い間不思議に思っていたが、やっと答えが分かった。
上海のY教授がその秘密を暴いてくれた。
その答えは、実に単純明快であった。

「中国経済成長の主役は国有企業ではなく、
外資系企業と民営企業だ。
ところが、中国の株市場の主役は国有企業だ。
当然、この株市場は中国の経済実態を反映していない。」

「つまり、当初株式市場を作った動機が不純で、
国有企業に資金調達の手段を与えるためであった。
しかも、投資家から金だけ取って、
国有企業の改善にはつながっていなかった。」

「国有企業のトップは市場に対して責任を負っておらず、
任命してくれた上司に対して責任を負っているのだ。
中国の投資家達は皆怒った。
国民の怒りが、中国証券市場の改革につながっている。」

Y教授は上海にいるが、中国政府のブレーンの1人である。
最近はいわゆる国有企業の「非流通株」について、
流通株の既存株主への利益分配案が出てきて、
株価に何らかの変化が見え始めている。

教授は更に日本の証券関係者へコメント。
「日本の経験が、欧米のそれよりも中国の参考になる。
最初は小さくでも良いので、中国で活動を始めてほしい。
中国の関係者は決してその恩を忘れないだろう。」

「中国政府は既に改革の決意を下している。
時間はかかるが、日本の協力がほしい。」とのこと。
日本の証券会社が本格的に中国へ進出する日は、
われわれが本格的に中国株を購入する機か。

 


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