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その2 WTO加盟 中国はどうなるのか


   最近中国である知識人の方と会い、中国のWTO加盟に関して話をお聞きする機会を得ました。
 質疑応答を含め、話は実に明快でした。
   中国に関心を持たれる方々にご参考になろうかと思いましたので、その要旨を下記の通りご紹介させて頂きます。

 中国の対外開放が20年経った。現在は3つの大きな課題に直面している。

1. 市場経済化: 10年の経験を積んでいる。完成するのは2020年か。
2. グローバル化: WTO加盟で加速される。加盟の実現は年央か。米の対中永久  最恵国待遇も決まる見通し。
3. ネットワーク化: 速いスピードで進んでいる。

 国内のWTO加盟論争は今も続いている。
 産業で言うと、今までの保護産業、農業、自動車、通信などは打撃を受ける。今までの開放産業、アパレル、家電などは受益する。
 地域で言うと、沿海部への影響は中西部へ転化できるので、沿海部への打撃は少ない。中西部、特に中西部の農業への打撃が大きい。
 企業形態で言うと、私有企業、外資系企業がメリットを受け、国有企業がディメリットを受ける。

 WTO加盟により、国有企業の失業者が更に増えるだろう。これはこれから数年間内需が大きくならない原因でも有る。それに農民失業者がプラスされる。1000万人の農民が失業するかもしれない。社会保障システムまだ不完備の現在では、大きな社会不安を引き起こす恐れが有り、中国政府にとっては大きな試練となる。

 加盟後の初期は、マイナスのほうが大きく出るだろう。世界へ開放すると言うことは、先進国主導の世界の国々と同じルールで経済を運営することであり、本来加盟により利益をもたらすものであるが、中国の場合、政治体制が整っていない。
 いままでの20年間の開放は、主に企業改革が行われ、今はこれらの企業が市場経済のメリットを生かしている段階だ。企業に対する衝撃よりも、政府に対する衝撃のほうが大きいと思う。

 しかし、短期的に見て不利な面が大きくても、長期的に見れば有利な面が大きい。沿海地域、私有企業、外資系企業が受益し、更に発展することにより、中西部、国有企業、農民の受けるディメリットを十分カバーできると思う。
 加盟により中国は政治、文化、思想、教育などの面にも大きな変化が起きる。

 中央政府は加盟後の中国はどんなイメージになるかの勉強会を始め、地方政府レベルまで広げようとしている。加盟後5〜10年、保護策の有るうちに市場経済システムを確立させることがポイントである。
 日本は1955年頃GATに加盟し、1961〜62年にGNPが倍増した。日本のケースはプラスになった。

 ネットワーク化は、中国のような土地が広く人口の多い国には発展のスピードを上げ、先進国との差を縮めるのに有利だ。
 競争原理をもっと導入する必要が有る。国内競争に国際競争が加わる。自動車会社は100社も有るが、加盟後合併・淘汰し、競争力をアップしなければ成らない。中国の消費水準から、電話料は欧米より高い。これではネットワークに入る人数が制限される。変えなければ成らない。

[質疑応答]

1. 銀行・保険業の開放が比較的明確である。證券業の開放の見通しは?

 先週の記者会見で朱鎔基にも迷いがあったようだ。資本市場の開放にはまだスケジュールがないはず。資本市場の開放は企業の倒産を増やす。社会問題がますます表面化する今ではまだ時間がかかる。投資ファンド関係の法律は現在整備しているので、ファンド関係は速いと思う。

2. IT革命と言うと、北京、広州が進んでいると言われる。上海は?

 北京より遅れる理由は体制問題。北京の権力は分散している。多元的構造。隙間が多い。上海は1元化権力。上海の私有企業がほとんどないのもここに理由が有る。北京は学術的にも自由な空気だ。これはIT革命に有利。人材は北京、広州に行きたがる。北京では中央、北京市、軍隊、それぞれ違う意見が聞ける。上海は1つだけ。市政府が言えば、全部従わなければ成らない。

3. WTO加盟で外資への優遇はなくなると言う。既存外資系企業にとって、今後税制などはどうなるのか?

 外資系企業にとっては内国民待遇に成る。外資系企業の関心事は優遇税制ではなく、政策の安定性と透明度に有るのだ。不満は国際ルールに乗っ取っていないことだ。

4. 解放軍はどうなるのか?

 中央政府は軍ビジネスを禁止し、規律の回復を行わせた。軍の最重要責務はカラオケバーやホテル、レストランの経営ではなく、国を守ることだ。国の指導者の方針が正しい。

5. 江・朱体制は延期になるか?

 政治改革の核心は人治から法治へ転換すること。定年制を作った以上、延期する理由はない。

(完)
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