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  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


訪日旅行と医療観光

5月20日に配信したChinaWork Weeklyで、日本の大手医薬品開発業務受託機関が中国の大手不動産と医療観光を手掛ける合弁会社を上海に設立する、とお伝えしました。この合弁会社は、中国の富裕層向けに、日本の医療観光や医療コンサルティングを行っていきます。2015年の訪日旅行者は19,737,400名と過去最高となり、このうち25%が中国人旅行者となりました。買物を目的に渡航していた中国人旅行者が次に注目しているもの・・・それは日本への医療観光です。
医療観光は、日本政府が2010年から新成長戦略として始めた政策の一つで、翌年の2011年には医療滞在ビザを導入しました。訪日旅行市場において、この医療観光が「爆買い」に次ぐ新たなキーワードです。筆者が住んでいる関東北部にある総合病院に併設されている検診センターでも、中国語スタッフの設置も検討されているようで、中国人の新しい旅行形態を垣間見たように感じました。
経済産業省の調べによると、2012年における医療観光を目的とした旅行者は、全体数の48.1%を中国人旅行者が占めていました。利用するプログラムは、人間ドックや乳がん検診(および治療)で、特にがんの検査方法のひとつである「PET検診」が人気だと言います。PET検診とは、陽電子放射断層撮影法を用い、専用の装置でがん細胞を見つける検査方法になります。ちなみに、中国ではPET検診のニーズは高い一方、すべての病院において医療保険で支払えるものではないようです。

-出所:経済産業省-
中国人が医療観光で日本に渡航する理由として、日本の医療技術が自国より優れていることや欧米よりも近距離である日本の医療費も安いこと、医療機関のサービスが高いことなどが挙げられています。お金だけでは買えない「安心」や「サービス」を得られることが、医療観光のニーズをさらに向上させると感じています。
中国でも日本と同様、食生活の欧米化が進んでおり、生活習慣病が増加している傾向にあるそうです。生活環境の変化がもたらす健康不安から、医療技術の高い日本への医療観光の増加がうれしい反面、昔ながらの土地に根付いた食生活を見直す必要が来ていると感じています。 (Y.C)

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