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  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


新「広告法」の施行ついて

 2015年9月1日より、改正を経た新たな「広告法」が施行されました。「広告法」の改正は20年前の制定以来初めてで、内容の拡充と細則の充実が図られた他、罰則も厳格化されました。
 例えば、新広告法では、「医療・薬品・健康食品・医療機器・教育トレーニング・投資誘致・不動産・農作物種子」等のそれぞれに関する細則が定められました。そのうち、不動産に関する規定を見ると、広告内に含んではいけない内容として、@価値上昇や投資リターンへの保証 A別の参照地点までの到達時間による物件の位置表示 B国の関連価格管理規定に違反する内容 C計画中または建設中の交通・商業・文化教育施設等に関する誤解を与える宣伝、とあります。現実には、これまで目にした不動産広告のほとんどで、これらの情報はむしろ必須事項であるかのように強調されていましたので、不動産業界の広告制作には、大変革の必要がありそうです。
 罰則の強化では、「国家級・最高級・一番優れた」等の絶対的・極論的な語句の使用禁止への違反に関する罰金規定が注目されています。新規定では、従来より高額な20万元以上100万元以下の罰金が制定されました。
 他にも注目を集める内容として、「イメージキャラクター(中国語:形象代言人)」に関する規定があります。薬品・医療器械・医療サービス・健康食品では、イメージキャラクターを使うことはできません。また、10歳以下の児童をイメージキャラクターとすることも禁止です。この他、イメージキャラクターを務める人物の法的責任が明確にされ、また自身が実際に使用したことないものについて宣伝することも禁止されました。これまで見られた、男性アイドルが女性用品の宣伝をするといった広告も禁止となります。
 インターネット広告に関する規定も新しく盛り込まれました。ポップアップ広告は、ウィンドウを閉じるマークをはっきりと示すこと、またクリック1回で閉じられるようにすることが求められています。
 そして、報道では、個人が微信(WeChat、中国版LINE)等で広告を転送する行為にも注意を促しています。新広告法では「広告発布者」の範囲が従来の「法人またはその他経済組織」から「自然人」にまで拡大されました。専門家によると、新広告法の解釈では、個人が直接・間接に商品・サービスを宣伝する行為は、対価を得ていようがいまいが、広告行為と見なされ、発信した広告内容に虚偽があったために消費者に損害を与え、それについて過失有りと認められれば、法的責任を免れないだろうとのことです。

 以上のように法律は厳しくなりましたが、広告業界では冗談混じりに、「最高」等の語句を使えないことをもじって、「(商品が)素晴らし過ぎて広告法に違反するレベル!」等というキャッチコピーが考え出されているようです。広告や商品・サービスに誠実さが求められている、という本質が置き去りにされないことを期待します。


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