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  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


スマートフォンだけじゃない小米科技(シャオミ)


 中国のアップルと言われ、ここ数年で飛躍的に成長を遂げたスマートフォン(スマホ)メーカーの小米科技(シャオミ)。日本ではあまり馴染みのない名前ですが、創業わずか5年の中国企業は、2011年に出荷台数50万台以下と言われている第一号のスマホリリースからスタートし、翌2012年には700万台、2013年には2,000万台に迫る出荷台数を記録しました。そして、2014年7〜9月期に、スマホの世界シェアで韓国サムスン電子、米アップルに次いで第3位、中国国内においてはトップシェアとなりました。
 店舗ではなく自社ネットを主体とした販売方法や、他社商品に酷似した外観、高い品質を持ちながら低い価格帯であることなどがネットで話題となり、シェアを拡大していきました。かく言う著者もシャオミユーザーで、ニュースやネットで話題に上るたびに注目していたのですが、最近めっきり名前を聞かなくなってしまいました。
 従来型の携帯電話からスマホへの買い替え需要が一段落した中国では、キャリアと長期契約しているユーザーも多いため、最新機種へのアップグレード周期も長期化しています。その影響もあってか、中国のスマホ市場の成長率が過去6年間で初めて前年を下回ったという調査結果が発表されています。2015年第一四半期の中国におけるスマホの総出荷台数は、前年比4%減の9,880万台となりました。

 そんな中、今年5月にシャオミが韓国市場へ参入したというニュースが耳に入りました。サムスンがトップシェアを維持するスマホ市場に挑戦すると思いきや、音響製品やモバイルバッテリー、体重計、USB扇風機がよく売れているようです。スマホが爆発的に売れたために、「携帯電話メーカー」と思われているシャオミですが、テレビやルーター、インターネットテレビボックスなどの商品もあり、公式HPを見ると、体重計やUSB扇風機の他にも、スピーカーや空気清浄機、ペンタイプの水質検査器、果てはTシャツまで、幅広い商品が提供されています。

 そして、この8月には自動車関連の事業に着手したというニュースが流れてきました。上海汽車と提携し、自社のソフトウェア『MIUI』を使用した車載ネットワークを構築するというのです。同社CEOの雷軍氏は自社を「ネットワーク会社」と位置付けているのですが、事実、シャオミはソフトとアプリケーションの開発のみで、ハード設計と生産は全てアウトソーシングしています。これがコストを抑える要因となり、低価格化を実現しているのです。今後も次々と新しい商品がシャオミの“ネットワーク”に登場してくると考えられています。迷走しているようにも見える前述の各種商品もすべてシャオミのスマホで管理をすることができるなど、“ネットワーク”構築に一役買っているようです。
 日本メーカー製を含めた世界一流の部品を採用することで、高品質を実現し、中国でトップシェアを獲得、世界進出を目指すシャオミ商品が日本の家庭にやってくる日も遠くはないかもしれません。


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