www.chinawork.co.jp
トップぺージ Book Store 経済の眼睛 業務案内

 

目次に戻る

  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


越境ECサイトで中国向け販売拡大を

 昨年から、日系企業の越境EC(クロスポーターでのオンライン取引)サイトを活用した中国での販路拡大がますます加速しています。以前は、中国のECサイトに海外企業が出店する場合、中国国内に法人rを必要とするなどの参入規制があり、中国国内の法令に従って課税されるため、中国での販売価格は原産国価格の最低2〜3倍となり、ネット販売の市場規模は大きいものの、知名度のない海外商品がネット販売するには価格的競争力が弱く厳しいものでした。中国では2010年頃から徐々に海外のECサイトで直接購入して個人輸入する消費者が急増しました。このため、中国政府としても消費の海外流出を防ぎ、国内の消費ニーズを満たすために、越境ECサイトや海外企業との間での人民元決済システムの構築に着手するようになったのです。そこで、現在は中国に法人のない海外企業でも越境ECサイトであれば出店できるようになりました。中国で有名な越境ECサイトの例を挙げると、中国EC大手アリババグループが運営する「Tモールグローバル(https://www.tmall.hk/)」や「JDワールドワイド(http://www.jd.hk/)」などが有名です。
 これらの越境ECサイトに出店する日本のメーカーや大手小売店が増えている中、自治体初の試みとして、沖縄県が越境ECでの県産品販売を来年3月から開始すると発表しました。沖縄県は、アジアでのEC運営サービスを手懸ける潟Gフカフェ(本社:大阪)と鞄d通沖縄の2社と提携して販売を行っていくようです。潟Gフカフェは、中国EC大手アリババグループが運営する「Tモールグローバル(中国名:天猫国際)」に「心地(※)」というネットショップを開設しており、沖縄県はそのネットショップの中で「沖縄館」という沖縄県産品販売コーナーを設けて、塩・ウコン・健康食品などを約20種類ほど販売するそうです。 https://xindijp.tmall.hk/?spm=a1z0b.7.1997427721.d4918089.YO21Yx

 日本企業が越境ECサイトを活用して、中国消費者向け販売を行っていく場合、従来の中国国内ECサイトに比べて、どのようなメリットがあるのかを下表にまとめました。

【日本企業が中国国内ECサイト/越境ECサイトに出店する場合の条件比較】

 

中国国内ECサイト

越境ECサイト

現法や現地銀行口座の有無

現法が無い場合、自社名義での販売は不可。中国政府が発行する営業許可証や中国の銀行口座が必要。

現法や現地銀行口座の開設は不要。

販売許可

中国の法律に基づき、事前の販売許可取得が必要。

基本的に販売許可は不要。
但し、酒・タバコ・薬品などの一部の商品は必要。販売許可を必要とする商品については、事前に自社が出店する越境サイトに確認しておく必要あり。

在庫管理・物流

中国国内から配送する必要があるため、倉庫の用意が必須。

日本から発送することが可能なので、中国国内に自社倉庫を確保する必要なし。保税区内にあるサイトの倉庫を活用できる場合もある。

課税

一般貿易と同様
(増値税17%、関税及び消費税は商品により税率が異なる)

増値税・関税・消費税はなく、「行郵税」のみ。
(税率10〜50%で、商品により異なる)

 上述のように、海外企業が越境ECサイトで販売する場合、中国国内における法人設立や人材雇用が不要で、課税率も一般貿易より低率なので、中国国内における一般的な市場価格よりも15〜30%ほど安く販売できます。
 但し、サイトによっては、出店に伴う保証金や運営管理費など各種手数料が必要となり、販売量が少ない場合は、逆にコスト高となる可能性もありますので、出店予定サイトへの確認と事業計画を事前に行っておくことが重要です。                                             


目次に戻る

Copyright© 2015 ChinaWork Co., Ltd. All Rights Reserved.