「モバイル決済の現状と今後」


　ネットでのショッピングやゲーム、タクシー配車アプリに至るまで、最近はインターネットを介した決済を行う場面に多数遭遇します。特に、スマートフォンやタブレットPCの普及に伴い、モバイル決済の利用者が急速に増加しているようです。
　中国最大手のインターネット調査会社「アイリサーチ(艾瑞咨詢)」が2014年１月21日にリリースした「2013年中国モバイル決済市場規模」のレポートから、「2010年〜2017年の中国モバイル決済市場規模の推移」について抜き出したデータをご紹介いたします。

	2010年	2011年	2012年	2013年	2014年	2015年	2016年	2017年
モバイル 決済市場規模	586億 1000 万元	798億 7000 万元	1511億 4000 万元	1兆2197億 4000万元	2兆9412億 4000万元	5兆2570億 6000万元	8兆4576億 7000万元	11兆9439億 2000万元
前年比 成長率	50.4％	36.3％	89.2％	707.0％	141.1％	78.7％	60.9％	41.2％

出所：艾瑞咨詢2014年1月　www.iresearch.com.cn

　アイリサーチの統計によると、2013年のモバイル決済市場規模は、１兆2197億4000万元(約19兆5158億円)で、2012年と比べて707％の増加となっています。また、今後は成長率こそ減少するものの、2017年には11兆9439億2000万元(約191兆1027億円)と予測されており、益々の成長が見込まれています。
　さらに驚くべきは、アイリサーチが2013年８月にリリースした、同レポートのデータです。

出所：艾瑞咨詢2013年8月　www.iresearch.com.cn

　当時の予測では、2013年の中国モバイル決済市場規模は、前年比100％増の3022億8000万元(約4兆8364億円)とされていましたが、約半年後には大幅に変更されています。
　このような急成長が見られた要因としては、�@スマートフォンの普及拡大や�AモバイルECの成長が考えられます。中国ネットワークインフォメーションセンターによると、2013年末時点でのモバイルインターネット利用者数は５億人で、年間で8009万人の増加となっています。また、今年3月に、中国のネットセキュリティ大手企業が発表した報告によると、2013年に中国でモバイル決済を利用した人は、前年比126％増の1億2500万人に達しました。
　以前、当枠で『Ｏ２Ｏ(オーツーオー)戦略』を取り上げましたが、モバイル決済方法は、WEBサイト上の決済サービスを利用したものから、携帯電話のショートメッセージを利用したSMS決済、そして、今後の普及が注目される“おサイフケータイ”と、多岐に渡っています。ECサイトを利用した販路拡大は重要ですが、これらのモバイル決済方法についても、柔軟に対応できる体制を整えておく必要がありそうです。
　※1元≒16円

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