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  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


中国のお年玉事情

 旧暦の正月である『春節』で新年を迎える中国。2014年は1月31日(金)です。そして、日本でもおなじみの「お年玉」は中国にも存在し、「圧歳銭(ヤースイチエン)」と呼ばれます。その昔、子供に病気をもたらす“崇(スイ)”という妖怪から身を守るため、両親が8枚の銅銭を赤い紙で包んで子供の枕元に置くと、その妖怪を退けることができたという伝説から、魔除けを意味する「圧祟銭」と呼ばれ、“崇(スイ)”と“歳(スイ)”の発音が同じであったために、いつしか「圧歳銭」になったといいます。もともとは、子供の1年の健康を祈って年長者から送られたものなのです。

 日本でも同じであるように、「お年玉」は子供たちにとって年に1度の大きな楽しみですが、配る大人たちにとっては、毎年頭を抱える悩みのタネのようです。
湖北省の地方紙「楚天金報」が実施したアンケート調査によると、今年のお年玉相場は1人当たり200元(約3,500円)〜500元(8,700円)で、中には、お年玉に加えてプレゼントも用意するなど、この時期の帰省だけで1年分の貯金を全て使い果たす人もいるそうです。配る相手も子供に限らず、親や親戚、友人など、その範囲は広がっており、経済的な負担を抑えるために周りの知人と事前に金額を合わせておく人も多く存在します。

 さて、このように集まったお年玉を中国の子供たちはどのように使うのでしょうか。
大多数の子供たちは、ゲームや洋服など自分が欲しいものの購入に当てますが、とある調査によると10歳以下の1割近くは全額親に預けるようです。そして、親はそのお年玉で学費の支払いや、将来の為の保険や基金の購入に充てるといいます。この時期が近づくと、全国各地の金の販売店が活気付いてきますが、これも「お年玉」になります。

 1960年代のお年玉平均額は2角〜5角程度(1角は0.1元)で、「幸先の良い年始が迎えられるように」という意味合いの象徴的なものでしたが、それが90年代に入ると生活水準の向上や物価の上昇に伴って、お年玉の相場が高騰するようになり、「実質的な価値」が高まってくるようになりました。また、通常時は贈答品を送りにくい相手に頼みごとをするために、相手の子供に高額のお年玉を贈るといった、まるで賄賂のような受け渡しも見られるとのこと。この点については、中央政府が打ち出した「ぜいたく禁止令」の影響で今後は減っていくと考えられていますが、かつての「象徴的な意味」に戻そうと呼びかける声に、面子を重んじる人々は耳を傾けられるでしょうか。      



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